好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕


あのとき、私を助けてくれた……


……いや、私に有り得ない言葉を放った男。


「おい、和希(かずき)!」

淳は馴れ馴れしく、店員に声をかけた。

和希と呼ばれた男は、少しこちらを見て、明らかに嫌な顔をした。


「なんでしょうか。お客様」


マニュアル通りのセリフには、全く感情がこもっていない。


「今日も元気に働いているか、偵察に来たんだよ」


淳はどこか、見下したように、和希に言った。



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