好きで、好きで、好きで、私が私じゃ、無くなる。〔完〕
私は多分、人前で始めて驚いてひっくり返りそうになった。
「うっそお! 彼って童顔なのかしら? それに、身長の割りに腕とか足がガッシリしてない? 何かスポーツでもやっていたのかしら」
「あいつ、小さいときから空手習ってたから」
「あっ! あー…だから、ね。なるほど! ところで彼ってさあ」
「…聖里奈さん?」
「左利きじゃない? なんだかレジを打つ手がぎこちなくて」
「聖里奈さん!!」
「!!」
真剣な顔で見つめる淳に、私は肩をすぼめた。
「もうあいつの話はよそう」