夫婦ごっこ
「暑くなってきたね。」

千鶴さんが言った。

「はい とうとう夏ですね。
また千鶴さんたちは週末海行くんですか?」

去年の夏は 夫婦してボードをして真っ黒だった。
千鶴さんのスタイルで真っ黒なのが
すごくセクシーだったのを覚えている。

「二人とも運動が好きなんですね。」

「そうね。紅波さんは行かないの?」

「海は…スタイルよくないし…。」

「大浦くんは 海大好きよ。昔は夏になると真っ黒だったわ。」

クスクス笑った。

「ボードもするしダイビングもするしなんでも
かじってはすぐ飽きちゃうんだよね。」

私の知らない恒くんが 千鶴さんが語るのが
少しおもしろくなかった。

「よくみんなで行ったわ。あの頃がホント一番
楽しかった。バカやって笑って…その中で泣いたり悩んだりしても
輝いてたな~~戻りたい…あの頃に…。」

千鶴さんは空を見上げた。


思わず見とれていたけど すぐに戦闘モード切り替え

「週末は温泉旅行に行くんです。」

私は精一杯 力を込めて行った。

千鶴さんはそんな私に圧倒されたのか
一瞬目を丸くした。
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