キミ色季節。【完】





「なんで教えてくんねぇの?」

案の定、いた。


「…なんでって言われても…」



“嫌”だから?

仮にも先輩だし
言っていいの?






「メアド教えろよ」


「やだ」


「なんで」


「やだから」


「だからなんで?」



「…」



めんどくさいな…


「…離して」


「やだ」


麗さんが腕を掴んで離さない。



「いた…」


力の入っていく手。



「公園、行こ?」


「やっ!行かないっ!」




振りほどけないっ


こんなに細いのに
力だけはあるなんて…




「やだっ離してよっ!」



抵抗も虚しく
家の前をズルズルと
通り過ぎていく。










「た…くみぃ…」



無意識に漏れた名前を
麗さんは
聞いたのか、
聞かなかったのか、



公園の入り口で
足を止めた。



< 247 / 337 >

この作品をシェア

pagetop