キミ色季節。【完】










やばい、

泣きそう。




「…ごめん、先行く」




あたしは涙をこらえて
早足で学校へ向かおうとした。








でも
すぐに拓海は
追いついてきた。




「…なんで、泣いて―…」


「やだっ!来ないで…拓海なんか大っ嫌い…」




「杏香、」



「麗さんも拓海も嫌い…」



こんなの間違ってる。


拓海に当たっても
どうなることもないのに




涙が止まらない。



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