キミ色季節。【完】



「あっちに誰かいんの?」

「へ?」



貴方が話しかけてきた。


板垣 麗
(いたがき れい)さん。



あたしのひとつ上の
陸上部の先輩。



綺麗な名前してるけど
ちなみに♂


細くて背が高くて
髪が天パで丸まってるから
こっそりついてるあだ名は“マルフォイ”。

麗さんとおなじ学年の
女の先輩たちが
おもしろ半分でつけたらしい。




去年の春に
かっこいいって陸上部の
1年の中で話題に
なってたけど、あたしは
かっこいいとは思わない。


……なんかいつも
企んでそうだから。




で、ちょっと苦手かも。




「涼太探してた?」





「っ??!なんで麗さんがっ知って―――…」

涼太ってのは例の、
自然消滅?した元カレのこと。

付き合ってるかもあやふやなのに
誰も知ってるはずがない……

それにーーー…

「杏香さーんっ?」


遠くでこの春入部した
1年生が呼んでいる。

「あ、はーいっごめん!今行く!!」




「またあとでね」



走って行こうとする
あたしを余裕で
送り出す麗さん。




ほんっとに苦手だ。




なんかムカつく、
人を上から見下ろすような
あの態度。




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