キミ色季節。【完】
今思えば
これがあたしたちの
はじめての
会話だったんだ。
「麗さんと何話して
たんですかぁー?」
さっき
あたしを呼んでた子。
同じ種目の後輩。
遠藤 若菜ちゃん
(えんどう わかな)
160㌢あるかないか
あたしより高いかな、くらいの身長で、
肩にかかるくらいの髪を
うしろでひとつに束ねている。
可愛くて
足も速くて
こんなあたしにも気さくに
話しかけてくれる子。
「んー…ちょっと、ね」
「麗さんって
かっこいいですよね♪」
まわりにいる
同じ種目の人たち
(って言っても男子
ばっかなんだけど)に、
聞こえないように
小さな声で言う。
「えー…そうかな…」
みんなみんな麗さんをかっこいいなんて
本人が知ったらすっごい調子のりそう…
「実はー麗さんのこと気になってて〜」
「えー…」
…………て、え?!
それって…