穢れなき雪の下で
無力さに、唇を噛みしめたその時。


ふわり、と。

何か白いものが眼の前に舞い降りた、気がした。

一瞬後、ミユも視線を唐突に足元から空へと動かした。



間違いない。

天気予報が言っていた通り、雪が降り始めた。


「寒い、わけだね」

涙を飲み込んだように震えた声で、ミユがぽつりと言う。
吐く息が、さっきまでよりもっとずっと白く儚げに見えた。
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