あくまで天使です。


べリアルが冷たく突っ込むと、そんなぁ………と素直にしおれるマナブ。


なんだか不良みたいで不良じゃない男たちだ。


「それで兄貴………その子が兄貴の連れですか?」


ソウが私を見下ろしながら訊いた。


べリアルは言葉を濁しながら説明しようとする。


「あっそっそうだ!俺の女のナギサだ!」


「ふざけんじゃないわよ!」


ここまで黙っていた私が遂にべリアルの背中から解き放たれた。前へ回り込み、顔をできるだけ上にあげて、必死にべリアルにまくしたてる


「誰があんたの彼女だって!?こんな甲斐性なし悪魔が!どこが天使………むぐっ!」


「あーこいつ照れ屋でよ。いつも俺のこと悪魔とか言うんだ!」


後頭部に手を回され、べリアルは私を打ちつけるように自分の胸へと引きつけた。


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