あくまで天使です。
私は双眼鏡さらに目玉に押し付け、べリアルが指していると思われる方向に固定した。
べリアルより低めだが、通常男性より高いとは思われる、茶色いジャケットを着こなした男性が確かに月緋のほうへ歩いて行く。
月緋は顔を上げ、その男性むかってにこりとほほ笑んだ。
そこで私はここにきてはっきり男性の顔を窺うことができた。
さっきの情報と違っているところはまず見当たらなかった。
何度か言葉を交わし、月緋と男性はくるりと私に背を向ける。移動するようだ。
「べリアル!移動するよ!続けてマークして!」
『リーダー面するんじゃねぇ。つーかお前楽しんでね?』