あくまで天使です。
「なんでもないわ」
月緋はにっこりべリアルを見つめたまま言う。
「?なんかあるのか………って何もないじゃないか」
座ったまま上半身をひねらせた男性の反応を見て、べリアルはホッとした。
やっぱり見えてなかったのだ。
あれはただの偶然だ。俺の近くで虫でも飛んでたのかもしれねぇしな。
「いえ、なんかあそこに獲物がいるような気がして」
べリアルの安心はこの一言により、たやすく壊れた。
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