魔王と王女の物語
ティアラがラスの顔をハンカチで拭いてやっている間に、
コーフンした魔王とリロイはラスから背を向けてぼそぼそぼそと言い合いをしていた。
「小僧が…邪な想像しただろ、チクるぞ」
「お、お前こそ前かがみになってこのヘンタイ!マント取ってみろ!」
「ああ?お前こそさっきから鼻押させてこのむっつりが!」
リロイも鼻を押さえているあたり、コハクが指摘したことに対しては肯定を示していて、2人で同時に深呼吸しつつ振り向いた。
「チビ、綺麗になったか?」
「うん。びっくりしちゃった」
「いやーでもいい光景…」
「影!早く馬車に乗れ!」
リロイから魔法剣の先で突かれ、とりあえず面白い光景を見れて満足の魔王は、山羊の背中を撫でているラスを抱っこすると元来た道を戻り始める。
「で?石は見つかったのか?」
性格を疑う笑みを口端に乗せたコハクが横を歩くティアラに話しかけ、
リロイがずっと先を歩きながら警戒にあたっている背中を見つめながら目線を合わせずに答える。
「なかったわ。あれがあれば…………るのに…」
「ああ?もちっと大きい声で喋れよ。俺をどうするって?」
「ティアラ、コーになんにもしないで。お願い」
――魔王がラスの影に憑き、“魔王憑きの王女”となってしまったラスだが…魂も憑かれてしまったのか?
だとすれば…最期の戦いに影響が出る。
ラスが棺を開けた瞬間。そこがチャンスなのに、魔王を庇われたら面倒なことになってしまう。
――ティアラは眉を潜めて見つめてくるラスを安心させるように笑いかけるとローブについた草を払いながらがれきの山を眺めた。
「大丈夫よラス。私は魔王に何もしないし、旅が無事に終わるように見守るだけ。怪我したら私に言ってね」
「…ほんと?ティアラ、疑ってごめんね。私…ヤな子だよね」
「チビがヤな子?んなわけねえだろ、チビは世界一可愛いお姫様だぞー」
「きゃーっ!」
突然頭上高く持ち上げられて鳥になった気分になったラスが歓声を上げて魔王に丸め込まれる。
だが、こちらを見た時赤い瞳は笑っていなかった。
…背筋が震えた。
コーフンした魔王とリロイはラスから背を向けてぼそぼそぼそと言い合いをしていた。
「小僧が…邪な想像しただろ、チクるぞ」
「お、お前こそ前かがみになってこのヘンタイ!マント取ってみろ!」
「ああ?お前こそさっきから鼻押させてこのむっつりが!」
リロイも鼻を押さえているあたり、コハクが指摘したことに対しては肯定を示していて、2人で同時に深呼吸しつつ振り向いた。
「チビ、綺麗になったか?」
「うん。びっくりしちゃった」
「いやーでもいい光景…」
「影!早く馬車に乗れ!」
リロイから魔法剣の先で突かれ、とりあえず面白い光景を見れて満足の魔王は、山羊の背中を撫でているラスを抱っこすると元来た道を戻り始める。
「で?石は見つかったのか?」
性格を疑う笑みを口端に乗せたコハクが横を歩くティアラに話しかけ、
リロイがずっと先を歩きながら警戒にあたっている背中を見つめながら目線を合わせずに答える。
「なかったわ。あれがあれば…………るのに…」
「ああ?もちっと大きい声で喋れよ。俺をどうするって?」
「ティアラ、コーになんにもしないで。お願い」
――魔王がラスの影に憑き、“魔王憑きの王女”となってしまったラスだが…魂も憑かれてしまったのか?
だとすれば…最期の戦いに影響が出る。
ラスが棺を開けた瞬間。そこがチャンスなのに、魔王を庇われたら面倒なことになってしまう。
――ティアラは眉を潜めて見つめてくるラスを安心させるように笑いかけるとローブについた草を払いながらがれきの山を眺めた。
「大丈夫よラス。私は魔王に何もしないし、旅が無事に終わるように見守るだけ。怪我したら私に言ってね」
「…ほんと?ティアラ、疑ってごめんね。私…ヤな子だよね」
「チビがヤな子?んなわけねえだろ、チビは世界一可愛いお姫様だぞー」
「きゃーっ!」
突然頭上高く持ち上げられて鳥になった気分になったラスが歓声を上げて魔王に丸め込まれる。
だが、こちらを見た時赤い瞳は笑っていなかった。
…背筋が震えた。