魔王と王女の物語
リロイに元気がないことはラスも感じていた。
平気な顔をして食事をしているが…明らかにいつもとは様子が違って、しかも隣に座っているティアラがずっと心配そうな顔でリロイを見つめていた。
“そのポジションは私なのに”と思ってしまって、ラスの元気もだんだん無くなって行く。
そんなラスの隣でテーブルに頬杖を突いていたコハクは、ラスの頬をむにっと引っ張るとまた目の前で握り拳を作って見せた。
「コー?」
「これ、なーんだ?」
ゆっくり手を開くと…一輪のマーガレットの花が現れて、花の大好きなラスが瞳を輝かせて笑顔が溢れた。
「可愛い!これどうしたの?」
「鉱山の近くに群生してた、連れてってやろうか?」
「うんっ。コー、早く食べて行こ!」
――いつにも増して新密度の増した2人の様子は、ティアラとリロイにとってはとても危険なことで…
本当は止めなければならないのに、リロイはその時打ちのめされていて酒場を後にする2人を止めることができなかった。
「じゃあな小僧」
「…」
わざとそう声をかけてきた魔王を無言で睨みつけると、鼻でせせら笑ってラスの肩を抱きながら出て行く。
姿が見えなくなるまで見送ると額に手をあてて深くため息をついた。
「…気を遣わせてしまって申し訳ありません」
「いいえ、いいんです。あのリング…魔王は本気なんですね」
「…僕はあいつを必ず倒します。そのためにもブルーストーン王国で魔法剣に加護を与えて頂かないと…」
「それは大丈夫だ、私に任せろ」
今まで黙っていたグラースが端的に告げて2人が驚いていると、肩を竦めた。
「誼があると言っただろう?だが私には魔王が再び世界征服をするようには見えないが、倒す必要はあるのか?」
「ラスが花嫁にされてしまう。それだけは駄目なんだ。ラスには幸せな人生を…」
「それをお前が決めるのか?ラスが決めるべきことなんじゃないのか?」
女性にしては少しきつい顔立ちのグラースに諭されて、リロイは胸を押さえた。
「リロイ、大丈夫ですか…?」
「…はい。申し訳ありません」
ラスを救いたいのに――
平気な顔をして食事をしているが…明らかにいつもとは様子が違って、しかも隣に座っているティアラがずっと心配そうな顔でリロイを見つめていた。
“そのポジションは私なのに”と思ってしまって、ラスの元気もだんだん無くなって行く。
そんなラスの隣でテーブルに頬杖を突いていたコハクは、ラスの頬をむにっと引っ張るとまた目の前で握り拳を作って見せた。
「コー?」
「これ、なーんだ?」
ゆっくり手を開くと…一輪のマーガレットの花が現れて、花の大好きなラスが瞳を輝かせて笑顔が溢れた。
「可愛い!これどうしたの?」
「鉱山の近くに群生してた、連れてってやろうか?」
「うんっ。コー、早く食べて行こ!」
――いつにも増して新密度の増した2人の様子は、ティアラとリロイにとってはとても危険なことで…
本当は止めなければならないのに、リロイはその時打ちのめされていて酒場を後にする2人を止めることができなかった。
「じゃあな小僧」
「…」
わざとそう声をかけてきた魔王を無言で睨みつけると、鼻でせせら笑ってラスの肩を抱きながら出て行く。
姿が見えなくなるまで見送ると額に手をあてて深くため息をついた。
「…気を遣わせてしまって申し訳ありません」
「いいえ、いいんです。あのリング…魔王は本気なんですね」
「…僕はあいつを必ず倒します。そのためにもブルーストーン王国で魔法剣に加護を与えて頂かないと…」
「それは大丈夫だ、私に任せろ」
今まで黙っていたグラースが端的に告げて2人が驚いていると、肩を竦めた。
「誼があると言っただろう?だが私には魔王が再び世界征服をするようには見えないが、倒す必要はあるのか?」
「ラスが花嫁にされてしまう。それだけは駄目なんだ。ラスには幸せな人生を…」
「それをお前が決めるのか?ラスが決めるべきことなんじゃないのか?」
女性にしては少しきつい顔立ちのグラースに諭されて、リロイは胸を押さえた。
「リロイ、大丈夫ですか…?」
「…はい。申し訳ありません」
ラスを救いたいのに――