魔王と王女の物語
その頃ラスとコハクは、鉱山の近くの森に群生しているマーガレットの花畑に立っていた。
「コー、すっごい!すごく綺麗!」
背の高いコハクに姫抱っこされたままはしゃいでいたラスが降りると真ん中に座ってにこにこして、その傍でコハクが花を摘んでいた。
「リロイ、元気なかったね。大丈夫かな」
「小僧の心配なんかすんな。ったくいじいじしやがってタマのちっせぇ男だぜ」
「たま?」
コハクの姿が見えなくなったが自分から離れるわけがないと思っているラスは一輪花を摘むと香りを楽しみながら薬指のリングを見つめた。
「リロイはいつも私の心配をしてくれるから私が心配したっていいでしょ?ね、リロイの元気が出るアイディアないかな。………コー?」
返事がなく、気配もなく、不安になって立ち上がって辺りを見回したが、コハクの姿はない。
慌てて花畑から抜け出して辺りを捜し回り、泣き出しそうになりながら声を上げた。
「コー?どこ!?」
…コハクは自分の影。
いつも離れない存在のはずなのに、時々こうして置き去りにされる。
こんな闇の中に独りで残されて、とうとうラスが泣き出すと…
少し離れた大木の影から、ひらひらと揺れている手が見えて、飛びつくようにしてその手を握るとコハクが舌を出した。
「見つかったか」
「コーの馬鹿!どうして離れるの!?」
「チビが小僧の心配ばっかすっからだよ。今俺の心配したか?」
「したよ、すっごくしたもん!コー、抱っこして!」
マントを広げて抱き上げてくれたコハクの首に腕を回して抱き着くと、笑い声が上がった。
「ふふふ、やっぱりチビは俺が居ないと駄目なんだなあ」
「どうして離れてくの?“結婚”って離れないって意味でしょ?コーは私をからかっただけ?」
矢次早に質問を浴びせると…
魔王がにたりと笑って可愛くて大好きなお尻を撫でながら大木に寄りかかって腰かけた。
「結婚、ね。ちっとは俺のこと好きになったってわけだ?」
「…ちょっとはね。コー、離れてくのは駄目。絶対だよ」
「はいはい」
…気の無い返事をしつつ、
魔王、大歓喜。
「コー、すっごい!すごく綺麗!」
背の高いコハクに姫抱っこされたままはしゃいでいたラスが降りると真ん中に座ってにこにこして、その傍でコハクが花を摘んでいた。
「リロイ、元気なかったね。大丈夫かな」
「小僧の心配なんかすんな。ったくいじいじしやがってタマのちっせぇ男だぜ」
「たま?」
コハクの姿が見えなくなったが自分から離れるわけがないと思っているラスは一輪花を摘むと香りを楽しみながら薬指のリングを見つめた。
「リロイはいつも私の心配をしてくれるから私が心配したっていいでしょ?ね、リロイの元気が出るアイディアないかな。………コー?」
返事がなく、気配もなく、不安になって立ち上がって辺りを見回したが、コハクの姿はない。
慌てて花畑から抜け出して辺りを捜し回り、泣き出しそうになりながら声を上げた。
「コー?どこ!?」
…コハクは自分の影。
いつも離れない存在のはずなのに、時々こうして置き去りにされる。
こんな闇の中に独りで残されて、とうとうラスが泣き出すと…
少し離れた大木の影から、ひらひらと揺れている手が見えて、飛びつくようにしてその手を握るとコハクが舌を出した。
「見つかったか」
「コーの馬鹿!どうして離れるの!?」
「チビが小僧の心配ばっかすっからだよ。今俺の心配したか?」
「したよ、すっごくしたもん!コー、抱っこして!」
マントを広げて抱き上げてくれたコハクの首に腕を回して抱き着くと、笑い声が上がった。
「ふふふ、やっぱりチビは俺が居ないと駄目なんだなあ」
「どうして離れてくの?“結婚”って離れないって意味でしょ?コーは私をからかっただけ?」
矢次早に質問を浴びせると…
魔王がにたりと笑って可愛くて大好きなお尻を撫でながら大木に寄りかかって腰かけた。
「結婚、ね。ちっとは俺のこと好きになったってわけだ?」
「…ちょっとはね。コー、離れてくのは駄目。絶対だよ」
「はいはい」
…気の無い返事をしつつ、
魔王、大歓喜。