魔王と王女の物語
ティアラをきつく抱きしめてひとしきり唇を重ねた後…
リロイははっとなって身体を離した。
「ご無礼を…!申し訳ありません…」
「いえ…いいんです。リロイ…私はいつもあなたのことを想っています…」
「…ティアラ王女…」
――我を取り戻したのは、
ラスの笑顔が頭をよぎったから。
“リロイ”と可愛い声で呼んでくれて、くっつき虫のようにいつも一緒に遊んでいたラスの手を離したくないから。
「あなたはとても魅力的だ。僕には本当にもったいないんです」
艶やかな黒い髪と、黒ダイヤのような潤んだ瞳…
きっともっと綺麗になって、求婚者は後を絶たないだろう。
しかし…
ラスはもっともっと綺麗になって、もっともっと美しくなるはずだ。
だからあの腹黒い魔王を倒して、ラスの目を覚まさせて、ラスにプロポーズして…幸せを手に入れるのだ。
小さな頃から、それだけを願ってきたのだから。
「魔王を倒したら、あなたはラスの“勇者様”になるのですね」
「はい、そうなればいいなと思っています。だから早くラスの影から魔王を追い出さないと…」
決意を噛み締めていると、ティアラが唇を震わせながら両手を握ってきた。
「あなたが幸せになることを願っています。…おやすみなさい」
「…おやすみなさい、ティアラ王女」
なんて優しい女性なんだ。
なんて、強い女性なんだ。
――だがリロイの頭の中を占めているのはラスの存在。
ため息をついた時、1階からラスとコハクが上がってきた。
「あ、リロイっ!はい、これあげる!」
「これ…マーガレット?」
花束を抱えたラスが一輪胸に押し付け、背伸びをして頬にキスをしてきた。
「リロイが元気になるようにっておまじないをかけたの。どう?」
「うん…ありがとう」
「おい小僧、いい気になるなよ。その花よこせ!ほら早く…」
「ラス、おやすみ」
鼻先でドアを閉めると魔王が悪態をついていたのが聞こえたが、
リロイの胸はラスの思いやりで満たされていた。
リロイははっとなって身体を離した。
「ご無礼を…!申し訳ありません…」
「いえ…いいんです。リロイ…私はいつもあなたのことを想っています…」
「…ティアラ王女…」
――我を取り戻したのは、
ラスの笑顔が頭をよぎったから。
“リロイ”と可愛い声で呼んでくれて、くっつき虫のようにいつも一緒に遊んでいたラスの手を離したくないから。
「あなたはとても魅力的だ。僕には本当にもったいないんです」
艶やかな黒い髪と、黒ダイヤのような潤んだ瞳…
きっともっと綺麗になって、求婚者は後を絶たないだろう。
しかし…
ラスはもっともっと綺麗になって、もっともっと美しくなるはずだ。
だからあの腹黒い魔王を倒して、ラスの目を覚まさせて、ラスにプロポーズして…幸せを手に入れるのだ。
小さな頃から、それだけを願ってきたのだから。
「魔王を倒したら、あなたはラスの“勇者様”になるのですね」
「はい、そうなればいいなと思っています。だから早くラスの影から魔王を追い出さないと…」
決意を噛み締めていると、ティアラが唇を震わせながら両手を握ってきた。
「あなたが幸せになることを願っています。…おやすみなさい」
「…おやすみなさい、ティアラ王女」
なんて優しい女性なんだ。
なんて、強い女性なんだ。
――だがリロイの頭の中を占めているのはラスの存在。
ため息をついた時、1階からラスとコハクが上がってきた。
「あ、リロイっ!はい、これあげる!」
「これ…マーガレット?」
花束を抱えたラスが一輪胸に押し付け、背伸びをして頬にキスをしてきた。
「リロイが元気になるようにっておまじないをかけたの。どう?」
「うん…ありがとう」
「おい小僧、いい気になるなよ。その花よこせ!ほら早く…」
「ラス、おやすみ」
鼻先でドアを閉めると魔王が悪態をついていたのが聞こえたが、
リロイの胸はラスの思いやりで満たされていた。