魔王と王女の物語
コハクが何かとても乱暴なことをしそうな顔をしていたので、伸ばした右腕をぎゅっと引き寄せて胸に押し付けると説得にかかった。
「コー、怖いことしちゃやだ!」
「ち、チビ…っ!胸に…俺の手が!」
…さっきまで殺気立っていたのが嘘のように、ラスが胸に押し付けた手を動かしながらコーフンした声を上げて男に凶悪な笑顔を向けた。
「つーわけで、俺の天使ちゃんが殺すなっていうからとりあえず一網打尽にさせてもらおうか」
「な、何する気だ!?」
「コー、ワンちゃんがいいな」
「えー、あいつはもういいよ。こんだけ火があったら…あいつだな」
地面の草を燃やしている炎に指を伸ばすと、まるで乗り移ったかのように指先に炎が燈り、
コハクの赤い瞳の中でゆらゆらと炎が揺らいで、目的のものを呼び出した。
「サラマンダー、あそこにたむろってる奴らを炎の網で捕まえてくれ」
『承知』
指先の炎が大きくなり、それはラスが腕を広げても足りないほどの大きなトカゲの姿を取って、
リロイとグラースが城の扉を開けようとしていた男たちをこちら側に追い込んできた所でサラマンダーが火を噴いた。
「ひぃっ、なんだこれは!」
サラマンダーが噴いた炎は彼の意志なくば絶対に消えない炎。
網目上に張り巡らされた炎の虫かごの中に十数人もの盗賊たちが追い込まれ、出られなくなった。
「コー、このトカゲさんも精霊さんなの?」
「まあな。ご苦労さん、もういいぞ」
『暴れ足りぬ』
「そんなこと言ってるとセイレーンに怒られるぜ。また呼んでやっからさ」
全身炎に包まれているサラマンダーに手を伸ばそうとするラスをまた抱っこして、各々男たちが手にしている虫かごを顎で指し、
足を震わせている男にまたにやりと魔王が笑いかけた。
「あの中に入って焼け死にたいか?いやなら妖精を全部解放しろ。俺は本気だぜ」
「お願い、妖精さんたちを離してあげて!」
――魔法使いは常に恐怖の存在であり、憧れの存在でもある。
コハクがまた腕を伸ばすと、完全におびえ切った男は炎の虫かごの中でわめく男たちに大声で降伏を呼びかけた。
「コー、怖いことしちゃやだ!」
「ち、チビ…っ!胸に…俺の手が!」
…さっきまで殺気立っていたのが嘘のように、ラスが胸に押し付けた手を動かしながらコーフンした声を上げて男に凶悪な笑顔を向けた。
「つーわけで、俺の天使ちゃんが殺すなっていうからとりあえず一網打尽にさせてもらおうか」
「な、何する気だ!?」
「コー、ワンちゃんがいいな」
「えー、あいつはもういいよ。こんだけ火があったら…あいつだな」
地面の草を燃やしている炎に指を伸ばすと、まるで乗り移ったかのように指先に炎が燈り、
コハクの赤い瞳の中でゆらゆらと炎が揺らいで、目的のものを呼び出した。
「サラマンダー、あそこにたむろってる奴らを炎の網で捕まえてくれ」
『承知』
指先の炎が大きくなり、それはラスが腕を広げても足りないほどの大きなトカゲの姿を取って、
リロイとグラースが城の扉を開けようとしていた男たちをこちら側に追い込んできた所でサラマンダーが火を噴いた。
「ひぃっ、なんだこれは!」
サラマンダーが噴いた炎は彼の意志なくば絶対に消えない炎。
網目上に張り巡らされた炎の虫かごの中に十数人もの盗賊たちが追い込まれ、出られなくなった。
「コー、このトカゲさんも精霊さんなの?」
「まあな。ご苦労さん、もういいぞ」
『暴れ足りぬ』
「そんなこと言ってるとセイレーンに怒られるぜ。また呼んでやっからさ」
全身炎に包まれているサラマンダーに手を伸ばそうとするラスをまた抱っこして、各々男たちが手にしている虫かごを顎で指し、
足を震わせている男にまたにやりと魔王が笑いかけた。
「あの中に入って焼け死にたいか?いやなら妖精を全部解放しろ。俺は本気だぜ」
「お願い、妖精さんたちを離してあげて!」
――魔法使いは常に恐怖の存在であり、憧れの存在でもある。
コハクがまた腕を伸ばすと、完全におびえ切った男は炎の虫かごの中でわめく男たちに大声で降伏を呼びかけた。