魔王と王女の物語
コハクが扉に手をあてると魔法陣が浮かび上がり、そして扉が内側に開いて、正面に2階へと続く螺旋階段が見えた。
――1階には人型サイズになった妖精たちが身を寄せ合って震えていた。
どの妖精もとても綺麗で可愛くて、ラスが歓声を上げながら近寄ると、全員が後ずさりをした。
「チービー、妖精は人とは馴れ合わねえから話しかけたって無駄だぞ。…おい、聞いてんのか?」
「妖精さんの羽、薄くて虹色でとっても綺麗!いいなあ、私も空を飛んでみたい!」
「今度ドラゴン呼んで空飛んでやっからこっち来いって」
呼びかけれどコハクの声はラスの耳に全く入っていなくて小さくため息をついていると…
「あなたは…コハク様では?」
「ん?あー、なんか見たことある顔だな」
プラチナ色のさらさらの長い髪ときつく吊ったプラチナ色の瞳をした妖精がコハクの前に進み出て、腕を組んだそんざいな態度で、傍から居なくなったラスの姿を目で捜した。
「あなたがまたこの森と私たちを救って下さったのですね」
「前の時は別に救いたくて救ったわけじゃねえよ。美人だっていう女王を見たかっただけだったからな」
以前出会ったのはもう数十年前のこと。
その時からコハクの外見は全く変化がなく、逆にその美貌にまた色気が増したように見えた。
「では今回は?」
「おれの天使ちゃんが妖精を見たいっていうのと、こいつにかけられた女王の呪いを解くため。で、女王はどこだ?」
「2階に。先程あなたの“天使ちゃん”も2階へ上がっていきましたよ」
――ちょっと目を離した隙にすぐ居なくなる。
常に目の届くところに居ないと心配な魔王はグラースを残してラスを捜しに2階へと上がって行く。
「魔王」
「俺が話をつけてきてやるからそこに居ろ。そいつは俺の連れだから手を出すなよ」
「はい」
見知ったコハクの存在に妖精たちが安堵し、当の魔王は2階へ上がると一直線に女王の居る玉座の間へと足早に向かった。
「あの女、すぐ呪いだの悪戯だのしたがるからなあ…。チビに何もしてないといいけど」
――コハクの想像はその時…
現実のものになろうとしていた。
――1階には人型サイズになった妖精たちが身を寄せ合って震えていた。
どの妖精もとても綺麗で可愛くて、ラスが歓声を上げながら近寄ると、全員が後ずさりをした。
「チービー、妖精は人とは馴れ合わねえから話しかけたって無駄だぞ。…おい、聞いてんのか?」
「妖精さんの羽、薄くて虹色でとっても綺麗!いいなあ、私も空を飛んでみたい!」
「今度ドラゴン呼んで空飛んでやっからこっち来いって」
呼びかけれどコハクの声はラスの耳に全く入っていなくて小さくため息をついていると…
「あなたは…コハク様では?」
「ん?あー、なんか見たことある顔だな」
プラチナ色のさらさらの長い髪ときつく吊ったプラチナ色の瞳をした妖精がコハクの前に進み出て、腕を組んだそんざいな態度で、傍から居なくなったラスの姿を目で捜した。
「あなたがまたこの森と私たちを救って下さったのですね」
「前の時は別に救いたくて救ったわけじゃねえよ。美人だっていう女王を見たかっただけだったからな」
以前出会ったのはもう数十年前のこと。
その時からコハクの外見は全く変化がなく、逆にその美貌にまた色気が増したように見えた。
「では今回は?」
「おれの天使ちゃんが妖精を見たいっていうのと、こいつにかけられた女王の呪いを解くため。で、女王はどこだ?」
「2階に。先程あなたの“天使ちゃん”も2階へ上がっていきましたよ」
――ちょっと目を離した隙にすぐ居なくなる。
常に目の届くところに居ないと心配な魔王はグラースを残してラスを捜しに2階へと上がって行く。
「魔王」
「俺が話をつけてきてやるからそこに居ろ。そいつは俺の連れだから手を出すなよ」
「はい」
見知ったコハクの存在に妖精たちが安堵し、当の魔王は2階へ上がると一直線に女王の居る玉座の間へと足早に向かった。
「あの女、すぐ呪いだの悪戯だのしたがるからなあ…。チビに何もしてないといいけど」
――コハクの想像はその時…
現実のものになろうとしていた。