魔王と王女の物語
リロイたちの目を盗んで浴室に入ると…ラスはまだドレスを脱ぐのに苦戦していて、にやにやしながらファスナーに手をかけた。


「俺が脱がしてやるって言ったじゃん。ったくチビは1人じゃなんもできねんだから」


脱がしやすいようにラスが長い金の髪を前へ持っていくと綺麗なうなじが見えて、本気でコーフンした魔王は顔を寄せてラスの耳元で囁いた。


「このドレス、引き裂いてもいいか?後で元に戻すからさ」


「?どうして?」


「えー、だって乱暴してるみたいでむっちゃコーフンするから」


「お気に入りだから駄目だよ」


すげなくされて、またそんなラスにもコーフンできる魔王はラスのドレスを床に落とすとコルセットの紐をするすると外しながら露わになっていく白い肌から目を離せなかった。


「お前さっきやきもち妬いたろ。俺がレイラを構うのがいやだったんだろ?」


コルセットも外し終えてさっさと下着も脱ぎ、一糸纏わぬ姿になったラスがくるっと振り返って、


魔王は鼻血が出そうになって、鼻を押さえながらよろめいた。


「ちょ、こっち見んなって!」


「やきもち妬いたもん。わざとそうしたんでしょ?お願いだからこれからはそういうことするのなら私が居ないところでして。…でないとコーのこと嫌いになっちゃうから」


「!!」


――“嫌いになるから”宣言をされて本気でショックを受けたコハクは雑念を払いながら服を脱ぎ、ラスをシャワーの下に連れて行った。


「わかった。チビに嫌われると俺生きていけねえから言うこと聞くよ。な、上向けよ」


「ん…」


蛇口を捻り、熱いお湯が降り注ぐ中、コハクはラスの唇をちろりと舐めて、その後深くキスをした。


ラスの左右で両腕をついて逃げられないようにしてラスの視線が下がりそうなのを阻止するように顎を取って上向かせると、さらにコーフンさせるような可愛い息が何度も上がって、ぎゅっと抱きしめた。


――コハクが濡れる長い黒髪をかき上げる。

その仕草にドキドキしながらも平気な顔を取り繕って言った。


「コー、なんかあたってる」


「ん?気にすんな。まだ使う予定ないからさ」


…色ぼけ魔王は必死で耐えていた。
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