魔王と王女の物語
コハクは上半身裸になって眠る。

本当は真っ裸がいいのだが、ラスが隣に寝ていると色々支障が生じてできなかったが…


ラスはいつも腕や胸に抱き着いて眠るので、色ぼけ魔王はいつもむらむらが止まらなかった。


「チビ…俺の城が近い。お前が決めたことだったらどんな決断でも俺は受け入れる」


――時々真面目になることのある魔王が寝顔を楽しんでいると早朝廊下で音がして、すやすや眠るラスの唇にキスをしてベッドを抜け出した。


「お、早いな」


「!こ、コハクさん…服を着てくださいっ」


「サービスサービス。まだチビが寝てるからもうちょっと静かにしてくれよ」


言いたいことだけ言ってドアを閉めるとレイラが自分の身体に釘づけだったことにはもちろん気付いていた。

魔法使いのくせにやけに引き締まった身体をしている魔王はベッドに潜り込んで、ちらちらと見える胸の谷間に鼻の下を伸ばしていた。


「もうちょっと成長しそうだな。触りたいなー………やべっ、朝っぱらから元気になっちまった!」


「…んぅ…、コー…うるさい…」


「チビ、もう朝だぜ。パーティーに行くんだろ?お前は綺麗にならなくていいのか?」


レイラに対して少々対抗意識のあるラスはがばっと起き上がり、ネグリジェが捲れて露わになった太股にまた魔王がコーフンした声を上げた。


「ち、チビ!襲っていいか?」


「コー、私も綺麗になる!綺麗にしてくれる?」


「もちろん。チビ、寝起きのチューを…」


「あ、寝癖ついてる!お風呂入らなきゃ!あとご飯!お化粧もしなきゃ!あとご飯!」


お腹が空いているらしく、“ご飯”を連発しながらドレッサーの前に座ったラスのぼさぼさの髪に、妖精から分けてもらった朝露を振りかけて丁寧に櫛で梳かした。

まだ裸のままのコハクは鏡越しにラスに笑いかけた。


「とびっきり綺麗にしてやるよ。世界一の美姫じゃなくって宇宙一の美姫にしてやる」


「これ、付けててもいいよね?」


左手薬指のガーネットの指輪。

コハクは自分の左手に視線を落としながら、邪悪な笑みではなく、にこっと笑いかけた。


「ああ付けていけよ。お前が俺のもんだっていう証拠だからな」
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