魔王と王女の物語
正装したラスとコハクが白い馬に引かれた馬車から出ると…城は、パニックになった。
「勇者のカイ王のご息女がどうしてうちのような小さな国に!?」
強国ゴールドストーン王国の王位を継ぐ王女ラスと、そして何故かラスの隣にべったりと張り付いている金髪碧眼の謎の男――
もちろんそれはコハクなわけだが、こちらはこちらで招待された女性陣たちから黄色い声を浴びていた。
「もしかしてもうばれちゃったのかな」
「お前の肖像画はどの国も持ってるだろうからな。チビを手に入れれば王位も転がり込んでくるし、あんなことやこんなこともできるし…。俺はそっちの方がイイ!」
悶える魔王を無視したラスは、まだ馬車の中から出て来ないレイラを引っ張り出すために馬車のドアを開けた。
「レイラ、王子様がそこまで迎えに来てくれてるよ」
「…でも…」
「遠目だけど、かっこいい人だよ。レイラの“勇者様”かもしれないよ」
ティアラの素性もすでに割れていて、先に到着していた面々もとにかく目立っており、
談笑していた柔和な笑みの王と、そして短く刈り上げた金茶の髪の王子が、こちらを見て目を見張った。
「これは…お美しい!」
「知らない人とは話しちゃいけません!」
ずんずんと向かってくる王子からラスを隠すようにして立ちふさがったコハクが満面の笑みを浮かべて王子の牽制にかかった。
「こちらの王女は俺の花嫁になる女だ。お前の女はあの中」
「無礼な…!ラス王女、私の名は…」
「名前とかどうでもいいから馬車の中に居る人をエスコートしてほしいの。早く早くっ」
細い脚で地団太を踏んで急かすラスが動く度に良い香りがして、王子は早く馬車から女を引っ張り出してラスを口説こうと考え、ドアを開けると手を差し伸べた。
「さあ、私の手………を…」
「あ、ありがとうございます…」
――ラスも綺麗で可愛らしくてタイプだったが、レイラは肉感的でいつつ恥じらいを見せながら笑いかけてきて、
手を握った途端雷に打たれたような衝撃を受けた王子はぽうっとなってしまった。
「王子様かっこいいね。お話してみたいな」
今度はコハクがやきもきする番。
「勇者のカイ王のご息女がどうしてうちのような小さな国に!?」
強国ゴールドストーン王国の王位を継ぐ王女ラスと、そして何故かラスの隣にべったりと張り付いている金髪碧眼の謎の男――
もちろんそれはコハクなわけだが、こちらはこちらで招待された女性陣たちから黄色い声を浴びていた。
「もしかしてもうばれちゃったのかな」
「お前の肖像画はどの国も持ってるだろうからな。チビを手に入れれば王位も転がり込んでくるし、あんなことやこんなこともできるし…。俺はそっちの方がイイ!」
悶える魔王を無視したラスは、まだ馬車の中から出て来ないレイラを引っ張り出すために馬車のドアを開けた。
「レイラ、王子様がそこまで迎えに来てくれてるよ」
「…でも…」
「遠目だけど、かっこいい人だよ。レイラの“勇者様”かもしれないよ」
ティアラの素性もすでに割れていて、先に到着していた面々もとにかく目立っており、
談笑していた柔和な笑みの王と、そして短く刈り上げた金茶の髪の王子が、こちらを見て目を見張った。
「これは…お美しい!」
「知らない人とは話しちゃいけません!」
ずんずんと向かってくる王子からラスを隠すようにして立ちふさがったコハクが満面の笑みを浮かべて王子の牽制にかかった。
「こちらの王女は俺の花嫁になる女だ。お前の女はあの中」
「無礼な…!ラス王女、私の名は…」
「名前とかどうでもいいから馬車の中に居る人をエスコートしてほしいの。早く早くっ」
細い脚で地団太を踏んで急かすラスが動く度に良い香りがして、王子は早く馬車から女を引っ張り出してラスを口説こうと考え、ドアを開けると手を差し伸べた。
「さあ、私の手………を…」
「あ、ありがとうございます…」
――ラスも綺麗で可愛らしくてタイプだったが、レイラは肉感的でいつつ恥じらいを見せながら笑いかけてきて、
手を握った途端雷に打たれたような衝撃を受けた王子はぽうっとなってしまった。
「王子様かっこいいね。お話してみたいな」
今度はコハクがやきもきする番。