魔王と王女の物語
人ごみに酔って疲れたラスが壁に寄りかかると、すぐにそれに気が付いたコハクが軽々とラスを抱っこして、螺旋階段をゆっくり降りた。
「コー、どこに行くの?」
「その辺歩こうぜ。ベンチ位あるだろ」
金髪碧眼の“勇者様”になっているコハクが優しく笑いかけてくれて、ちょっとドキドキしたラスは首に両腕を回してぎゅっと抱き着き、耳元で息をついた。
「ちょ、チビっ、身体の力抜けるからやめろって!」
「“勇者様”のコーもかっこいいけど、やっぱりいつものコーがいいな…。駄目?」
――ものすごく嬉しいことを言ってくれて、外へ出ると城をぐるりと取り囲むよく整備された庭を抱っこしたまま歩きながらふっと笑った。
「パーティーに参加してる間は無理だな。俺の正体がばれて困るのはチビだし、“魔王憑きの王女”の烙印押されちまうぞ」
「いいもん、私は気にしないよ?コーの綺麗な赤い瞳が見たいの。駄目?」
誰もが赤い瞳を見て“不気味だ”と言って近寄ろうとしなかった幼き時代を振り返る。
コハクの性格が歪んだのはそんな少年時代を経験したからであって、この瞳を綺麗と言ってくれたのは、生き方と魔法を教えてくれた師匠と、ラスだけ。
「じゃーちょっとだけ元に戻ってやるよ」
人の気配が無くなり、2人がけの白いベンチに座るとコハクから両目を手で塞がれ、
そっとその手が外された時、目の前には黒髪と赤い瞳のいつものコハクが超至近距離で顔を覗き込んでいた。
「これでいっか?」
「うん、いつものコーの方が安心する」
…見つめ合う。
少し良い雰囲気になって、コハクの顔からも茶化す色が消え、膝に乗せてラスの瞼にキスをすると、次に何をされるか気付いたラス自らが率先して唇を重ねてきた。
「もっと濃厚なのがいいんだけど」
「え、だって…苦手だし…息ができなくなるし…しなきゃ駄目?」
「じゃあ俺からするし」
――ラスにしかしない、愛を込めたキス―。
ラスにしか見せない、素の自分。
あまりに激しく情熱的なコハクに、ラスの瞳がとろんとなった。
「コー…好き…。大好き」
「俺はそれのもっと上だぜ」
愛。
「コー、どこに行くの?」
「その辺歩こうぜ。ベンチ位あるだろ」
金髪碧眼の“勇者様”になっているコハクが優しく笑いかけてくれて、ちょっとドキドキしたラスは首に両腕を回してぎゅっと抱き着き、耳元で息をついた。
「ちょ、チビっ、身体の力抜けるからやめろって!」
「“勇者様”のコーもかっこいいけど、やっぱりいつものコーがいいな…。駄目?」
――ものすごく嬉しいことを言ってくれて、外へ出ると城をぐるりと取り囲むよく整備された庭を抱っこしたまま歩きながらふっと笑った。
「パーティーに参加してる間は無理だな。俺の正体がばれて困るのはチビだし、“魔王憑きの王女”の烙印押されちまうぞ」
「いいもん、私は気にしないよ?コーの綺麗な赤い瞳が見たいの。駄目?」
誰もが赤い瞳を見て“不気味だ”と言って近寄ろうとしなかった幼き時代を振り返る。
コハクの性格が歪んだのはそんな少年時代を経験したからであって、この瞳を綺麗と言ってくれたのは、生き方と魔法を教えてくれた師匠と、ラスだけ。
「じゃーちょっとだけ元に戻ってやるよ」
人の気配が無くなり、2人がけの白いベンチに座るとコハクから両目を手で塞がれ、
そっとその手が外された時、目の前には黒髪と赤い瞳のいつものコハクが超至近距離で顔を覗き込んでいた。
「これでいっか?」
「うん、いつものコーの方が安心する」
…見つめ合う。
少し良い雰囲気になって、コハクの顔からも茶化す色が消え、膝に乗せてラスの瞼にキスをすると、次に何をされるか気付いたラス自らが率先して唇を重ねてきた。
「もっと濃厚なのがいいんだけど」
「え、だって…苦手だし…息ができなくなるし…しなきゃ駄目?」
「じゃあ俺からするし」
――ラスにしかしない、愛を込めたキス―。
ラスにしか見せない、素の自分。
あまりに激しく情熱的なコハクに、ラスの瞳がとろんとなった。
「コー…好き…。大好き」
「俺はそれのもっと上だぜ」
愛。