魔王と王女の物語
王子に口説かれ続け、パーティーも終わりに差し掛かり、時計を見たら…もう0時まであと5分。
「早く帰らないと魔法が解けてしまう…!」
ドレスの裾を翻して突然走り出したレイラに驚いた王子が後を追いかけて追い着くと細い腕を引っ張った。
「さようなら、もうお会いすることもないでしょう」
「そんな…っ、私の求愛は!?」
「ごめんなさい…私は…私には…」
――意地の悪い笑みを浮かべて、だが時に優しく、特にラスの前では驚くほど表情の変わるコハクの顔が浮かんで、
王子の腕を振りほどくと長い階段を駆け下り、その拍子に…クリスタル製の靴が脱げた。
だが時計の鐘が大きな音を立てて0時になったことを告げて、まだ追ってくる王子を振り払うようにして馬車に乗ると城から逃げ出した。
「はぁ、はぁ…」
結局…コハクが出した条件をクリアすることはできず、
慣れないヒールの高い靴を履いたせいで痛くなった脚を擦り、家に着くまで俯いていると0時になっても魔法は解けず、
家の前に着いて馬車から降りた瞬間魔法が解けて、レイラは裸に戻ってしまった。
「きゃぁ…っ」
「戻って来たか。ほら、これ着ろよ」
――待ち受けていたのか、2階のバルコニーからコハクが姿を現わしていつもの薄汚れた服を放り投げ、自らはひらりと手すりを跨いで着地すると、
真っ赤な瞳がひたと見据えてきて、レイラは胸のときめきを抑えることができなかった。
「私…無理でした…」
「ふうん。王子はどうだったんだ?」
「“私の求愛は?”って言われて…私、逃げ出して…ごめんなさい、途中で靴が脱げてしまって…」
途端、ぴんときた顔をしたコハクはよしよしとレイラの頭を撫でてひょいと姫抱っことすると屋敷内へ入り、屋根裏の部屋へと連れ込んだ。
「こ、コハクさん…?」
「成功したのと同じだな。王子は絶対にその靴を持って街中お前を探し回るぜ。そんななりでも必ず見つけるはずだ。…で?俺とどうしたい?」
――ベッドに押し倒されて、半ば覆い被さってきたコハクに心臓が痛いほどぎゅっとなり、震える声で、想いを告げた。
「お願い…私を…」
魔王が笑う。
「早く帰らないと魔法が解けてしまう…!」
ドレスの裾を翻して突然走り出したレイラに驚いた王子が後を追いかけて追い着くと細い腕を引っ張った。
「さようなら、もうお会いすることもないでしょう」
「そんな…っ、私の求愛は!?」
「ごめんなさい…私は…私には…」
――意地の悪い笑みを浮かべて、だが時に優しく、特にラスの前では驚くほど表情の変わるコハクの顔が浮かんで、
王子の腕を振りほどくと長い階段を駆け下り、その拍子に…クリスタル製の靴が脱げた。
だが時計の鐘が大きな音を立てて0時になったことを告げて、まだ追ってくる王子を振り払うようにして馬車に乗ると城から逃げ出した。
「はぁ、はぁ…」
結局…コハクが出した条件をクリアすることはできず、
慣れないヒールの高い靴を履いたせいで痛くなった脚を擦り、家に着くまで俯いていると0時になっても魔法は解けず、
家の前に着いて馬車から降りた瞬間魔法が解けて、レイラは裸に戻ってしまった。
「きゃぁ…っ」
「戻って来たか。ほら、これ着ろよ」
――待ち受けていたのか、2階のバルコニーからコハクが姿を現わしていつもの薄汚れた服を放り投げ、自らはひらりと手すりを跨いで着地すると、
真っ赤な瞳がひたと見据えてきて、レイラは胸のときめきを抑えることができなかった。
「私…無理でした…」
「ふうん。王子はどうだったんだ?」
「“私の求愛は?”って言われて…私、逃げ出して…ごめんなさい、途中で靴が脱げてしまって…」
途端、ぴんときた顔をしたコハクはよしよしとレイラの頭を撫でてひょいと姫抱っことすると屋敷内へ入り、屋根裏の部屋へと連れ込んだ。
「こ、コハクさん…?」
「成功したのと同じだな。王子は絶対にその靴を持って街中お前を探し回るぜ。そんななりでも必ず見つけるはずだ。…で?俺とどうしたい?」
――ベッドに押し倒されて、半ば覆い被さってきたコハクに心臓が痛いほどぎゅっとなり、震える声で、想いを告げた。
「お願い…私を…」
魔王が笑う。