魔王と王女の物語
一歩中へ入るとまず感じたのは…
「コー…花の香りがする…」
「んー、まあそれももうちょっと奥に行ったらわかるぜ」
リロイは警戒を解いていなかったが、街の様子には感嘆の息を漏らした。
街には水路が張り巡らされていて、様々な種類の橋がかけられている。
水は澄み渡り、小魚が泳いでいて、ラスが早速それに気付いて瞳を輝かせた。
「なにここ…すっごく綺麗!コー、早く奥に行こ!」
「はいはい」
街の東は居住区で、西が商店街と綺麗に分かれているらしく、中央には大きな川のような水路が通っていてボートで移動している者も居たりで、とても魔物が入り口を守っているような街には見えない。
「すごい…コー、すごいね!私…歩きたいな。駄目?」
「んー、じゃあ後でならいいぜ。一旦城に行こう」
「お城?お城もドーム型なんだね!あの塔はなに?どうなってるの?」
「行けばわかるって。チビはいちいち驚きすぎなんだよ」
とか言いつつラスにデレデレの魔王は抱っこして離さずに人々の視線を浴びながら大通りを進んだ。
…進んでゆくうちに、花の香りのする正体が分かった。
この街は、花畑に囲まれているのだ。
色とりどりの花が咲き乱れて綺麗に整備されており、その花々を育んだのは、この美しい水路の水。
まさにここは人々の楽園。
――だが、城に近付くにつれて、この街に似つかわしくない者の姿が目立ち始めていた。
「きゃ…っ、魔物が!」
「!ティアラ王女、僕の背中に隠れて下さい!」
リロイが気色ばんだ声を上げて魔法剣の柄に手をかけながら睨んだ先には――
「コー…また魔物が居る…」
「んー、あれは魔物っていうか…」
コハクが向かった先には、花の苗を抱えた2足歩行の牛の魔物が。
こちらに気付いていないのかせっせと苗を植えていて、その背中に魔王が蹴りを入れた。
「痛い!」
「よう、精を出してるな」
「あ…っ!?魔王様だ!お帰りなさい!みんな待ってましたよ!」
リロイたちが顔を見合わせた。
コハク1人が訳知り顔で大仰に頷いて、全員を混乱させた。
「コー…花の香りがする…」
「んー、まあそれももうちょっと奥に行ったらわかるぜ」
リロイは警戒を解いていなかったが、街の様子には感嘆の息を漏らした。
街には水路が張り巡らされていて、様々な種類の橋がかけられている。
水は澄み渡り、小魚が泳いでいて、ラスが早速それに気付いて瞳を輝かせた。
「なにここ…すっごく綺麗!コー、早く奥に行こ!」
「はいはい」
街の東は居住区で、西が商店街と綺麗に分かれているらしく、中央には大きな川のような水路が通っていてボートで移動している者も居たりで、とても魔物が入り口を守っているような街には見えない。
「すごい…コー、すごいね!私…歩きたいな。駄目?」
「んー、じゃあ後でならいいぜ。一旦城に行こう」
「お城?お城もドーム型なんだね!あの塔はなに?どうなってるの?」
「行けばわかるって。チビはいちいち驚きすぎなんだよ」
とか言いつつラスにデレデレの魔王は抱っこして離さずに人々の視線を浴びながら大通りを進んだ。
…進んでゆくうちに、花の香りのする正体が分かった。
この街は、花畑に囲まれているのだ。
色とりどりの花が咲き乱れて綺麗に整備されており、その花々を育んだのは、この美しい水路の水。
まさにここは人々の楽園。
――だが、城に近付くにつれて、この街に似つかわしくない者の姿が目立ち始めていた。
「きゃ…っ、魔物が!」
「!ティアラ王女、僕の背中に隠れて下さい!」
リロイが気色ばんだ声を上げて魔法剣の柄に手をかけながら睨んだ先には――
「コー…また魔物が居る…」
「んー、あれは魔物っていうか…」
コハクが向かった先には、花の苗を抱えた2足歩行の牛の魔物が。
こちらに気付いていないのかせっせと苗を植えていて、その背中に魔王が蹴りを入れた。
「痛い!」
「よう、精を出してるな」
「あ…っ!?魔王様だ!お帰りなさい!みんな待ってましたよ!」
リロイたちが顔を見合わせた。
コハク1人が訳知り顔で大仰に頷いて、全員を混乱させた。