魔王と王女の物語
ラスは暖炉の前でもたもたとブーツを履いていた。
全然革紐は結べないし…不器用だ。
「ラス、よそ見してるといつまで経ってもブーツが履けないよ」
「だって…いつもコーがしてくれるから…」
ちょっとむっとなったリロイが片膝をついてラスの細い脚を取り、膝上までのブーツに脚を通してやって、器用に結んでいく。
「…コーが影から居なくなったら自分でできるようにならなきゃいけないんだよね…」
少し悲しそうな声を出したラスの白く儚い頬に指先でそっと触れると、リロイは微笑んだ。
「大丈夫、僕がずっと傍でラスを守ってあげるから」
「!そうだよね、コーが居なくなってもリロイとはずっと一緒だよね!」
縋るような思いでそう言って笑顔になったラスの様子に…
ブレアと話しながらチラ見どころではないほど2人の様子を監視していたコハクが赤い瞳にあからさまな苛立ちの光を浮かばせながら呟いた。
「小僧…俺のもんに触るなとあれだけ忠告したのに…」
「あなただいぶ印象が変ったわね。他者のことなんか全然興味ないんじゃなかった?」
銀色の元魔女は、魔法の呪文が描かれている分厚い羊皮紙の本を手にため息をつく。
「魔法が使えなくなって魔女たちは皆苦労してるわ。あなただけが使えるなんて卑怯よ」
「そりゃ悪かったな。俺は自分とチビのためにしか魔法は使わない。世話になったな」
「いいのよ、また遊びに来て」
――ちゅっと唇を重ねあった2人にまたいやな気分になったラスが、靴ひもを結んでくれているリロイの金色の髪に急に触れてドキッとさせた。
「え、ど、どうしたの?」
「リロイが私の勇者様なの?そんな気がするの。だったらリロイと私は結婚…」
「チビ、行くぞ。晴れ間が出た今がチャンスだ」
「あ、うん」
言いかけて椅子から立ち上がったラスに対し…
リロイの顔は真っ赤になっていた。
それに気付かいのはラスのいい所で、
馬車に乗り込むラスと、家を出て素通りしようとしたリロイの後頭部を思いきり拳で殴った。
「何をする!」
「調子に乗ってんじゃねえぞ」
魔王はガキだった。
全然革紐は結べないし…不器用だ。
「ラス、よそ見してるといつまで経ってもブーツが履けないよ」
「だって…いつもコーがしてくれるから…」
ちょっとむっとなったリロイが片膝をついてラスの細い脚を取り、膝上までのブーツに脚を通してやって、器用に結んでいく。
「…コーが影から居なくなったら自分でできるようにならなきゃいけないんだよね…」
少し悲しそうな声を出したラスの白く儚い頬に指先でそっと触れると、リロイは微笑んだ。
「大丈夫、僕がずっと傍でラスを守ってあげるから」
「!そうだよね、コーが居なくなってもリロイとはずっと一緒だよね!」
縋るような思いでそう言って笑顔になったラスの様子に…
ブレアと話しながらチラ見どころではないほど2人の様子を監視していたコハクが赤い瞳にあからさまな苛立ちの光を浮かばせながら呟いた。
「小僧…俺のもんに触るなとあれだけ忠告したのに…」
「あなただいぶ印象が変ったわね。他者のことなんか全然興味ないんじゃなかった?」
銀色の元魔女は、魔法の呪文が描かれている分厚い羊皮紙の本を手にため息をつく。
「魔法が使えなくなって魔女たちは皆苦労してるわ。あなただけが使えるなんて卑怯よ」
「そりゃ悪かったな。俺は自分とチビのためにしか魔法は使わない。世話になったな」
「いいのよ、また遊びに来て」
――ちゅっと唇を重ねあった2人にまたいやな気分になったラスが、靴ひもを結んでくれているリロイの金色の髪に急に触れてドキッとさせた。
「え、ど、どうしたの?」
「リロイが私の勇者様なの?そんな気がするの。だったらリロイと私は結婚…」
「チビ、行くぞ。晴れ間が出た今がチャンスだ」
「あ、うん」
言いかけて椅子から立ち上がったラスに対し…
リロイの顔は真っ赤になっていた。
それに気付かいのはラスのいい所で、
馬車に乗り込むラスと、家を出て素通りしようとしたリロイの後頭部を思いきり拳で殴った。
「何をする!」
「調子に乗ってんじゃねえぞ」
魔王はガキだった。