魔王と王女の物語
必死に理性と戦ってみたりしていたのだが・・・
肝心のラスは、こちらの硬い胸が気になって仕方ないのか、何度も自分の胸を押し付けてきて、その感触に夢見心地になっていた。
「あーたまんね。悪戯したいなー」
「コーは悪戯しすぎだよ。駄目だからね」
「えー。だってこれって拷問じゃね?」
にやにやしながらまたラスの胸を見て、お湯の下を見て、
本人は全くそれに気付かず、薔薇の香りのするお湯を手で掬っては香りを楽しんでいる。
「チビ、こっち向けよ」
「え?………んん…」
顔を上げた瞬間強引に唇を奪って、これでもかといわんばかりに舌を絡めて離れると・・・
ぽやんとした表情で頬を上気させて抱きついてきた。
魔王、俄然大コーフン。
「コーのってすごいよね。リロイのとちが……」
「…あぁ?」
ついリロイとの“秘密”を口にしてしまい、コハクの表情が一気に凶悪になった。
「お前…もしかして唇に軽く、とかじゃなくて・・・こんなのしてんのか?小僧と!?」
「ちが、違うよ。今のは言葉のあや……」
コハクの腕から逃れようとしたのだが、がっちり掴まれて離してくれない。
至近距離のコハクの赤い瞳は嫉妬で真っ赤になっていて、そんな瞳を知らないラスはコハクの瞳を覗き込んだ。
「コー…目が真っ赤だよ?」
「ざけんな。小僧とは絶対すんじゃねえ。もうお前、嫌い」
「え…」
――音を立ててコハクが立ち上がり、ラスが呆然としながら見上げる。
さっさと出て行こうとしたので、ずぶぬれのままコハクを追いかけて腕に縋りつき、いやいやをした。
「嫌いにならないで!リロイとしちゃいけなかったの?」
「あれは俺とだけしてればいいつっただろ?ったく尻軽だな」
“尻軽”の意味はわからなかったが、それが悪い言葉だというのはなんとなくわかって、
それでもリロイとコハクを天秤にかけると…コハクの方が勝っている。
「コー、ごめんなさい!」
必死に謝ってくるラスにため息をつき、身体を拭いてやる。
「次はねえぞ。またやったら絶交だからな」
肝心のラスは、こちらの硬い胸が気になって仕方ないのか、何度も自分の胸を押し付けてきて、その感触に夢見心地になっていた。
「あーたまんね。悪戯したいなー」
「コーは悪戯しすぎだよ。駄目だからね」
「えー。だってこれって拷問じゃね?」
にやにやしながらまたラスの胸を見て、お湯の下を見て、
本人は全くそれに気付かず、薔薇の香りのするお湯を手で掬っては香りを楽しんでいる。
「チビ、こっち向けよ」
「え?………んん…」
顔を上げた瞬間強引に唇を奪って、これでもかといわんばかりに舌を絡めて離れると・・・
ぽやんとした表情で頬を上気させて抱きついてきた。
魔王、俄然大コーフン。
「コーのってすごいよね。リロイのとちが……」
「…あぁ?」
ついリロイとの“秘密”を口にしてしまい、コハクの表情が一気に凶悪になった。
「お前…もしかして唇に軽く、とかじゃなくて・・・こんなのしてんのか?小僧と!?」
「ちが、違うよ。今のは言葉のあや……」
コハクの腕から逃れようとしたのだが、がっちり掴まれて離してくれない。
至近距離のコハクの赤い瞳は嫉妬で真っ赤になっていて、そんな瞳を知らないラスはコハクの瞳を覗き込んだ。
「コー…目が真っ赤だよ?」
「ざけんな。小僧とは絶対すんじゃねえ。もうお前、嫌い」
「え…」
――音を立ててコハクが立ち上がり、ラスが呆然としながら見上げる。
さっさと出て行こうとしたので、ずぶぬれのままコハクを追いかけて腕に縋りつき、いやいやをした。
「嫌いにならないで!リロイとしちゃいけなかったの?」
「あれは俺とだけしてればいいつっただろ?ったく尻軽だな」
“尻軽”の意味はわからなかったが、それが悪い言葉だというのはなんとなくわかって、
それでもリロイとコハクを天秤にかけると…コハクの方が勝っている。
「コー、ごめんなさい!」
必死に謝ってくるラスにため息をつき、身体を拭いてやる。
「次はねえぞ。またやったら絶交だからな」