魔王と王女の物語
リロイが部屋に戻ると…ラスは胸元の開いたふんわりとしたドレスを着ていていた。
「それ可愛いね」
「ほんと?コーのお気に入りなんだって」
「へ、へえ…」
魔王はそんな会話をベッドに寝転がりながら見ていて、にやにやしている。
相変らず性格を疑うその笑みにいらっとしつつも騎士らしくラスの前で片膝をつき、手の甲に口づけをした。
「ラス王女、あちらです」
「うん。コー、行こ」
「俺も行っていいのかなあ」
本当はついて行く気満々なのにそうやってもったいぶると、案の定ラスがリロイを引っ張りながら駆け寄ってきて手を握ってきた。
「コー、離れないで!」
「はいはい、チビは我が儘だなあ」
普段垂らしている長い髪はコハクの手によって緩く結い上げられて、細いうなじにリロイとコハクの視線が集中する。
もちろんラスはそれに気づかず、途中すれ違う緋色の騎士団や使用人たちを見ては笑顔になり、
ラスを真ん中にして晩餐会の会場に脚を踏み入れた3人を見たフィリアたちは、ラスの可愛らしい姿には瞳を細めたが…
そしらぬ顔でついて来ている魔王には顔をしかめた。
「あなたは遠慮して」
「だってさ。じゃあなチビ」
「フィリアさん、お願いします、悪戯させないから一緒に居させて下さい」
頭を下げてコハクのシャツの裾から手を離さないラスと、ラスの性格を熟知して振り回す魔王と、一刻も早く追い出したいリロイ。
「…仕方ありませんね」
「コー、よかったね!」
「俺腹減った」
「私のもあげる」
「ちゃんと食わないと“ぼいーん”ってなんねえぞ」
まんまとラスの隣に座って長い脚を組み、うきうきしている横の王女の頬をむにっとつまんだ。
「この後俺と踊るだろ?」
「うん!私が16歳になってからコーはもっと優しくしてくれるね。どうして?」
グリーンの瞳は好奇心できらきら。
魔王のレッドの瞳はいやらしさでギラギラ。
「それはな、俺がお前とヤ…」
「影、口を慎め!」
リロイから鞘で肩を突かれ、肩を竦めてナイフとフォークを手にした。
「それ可愛いね」
「ほんと?コーのお気に入りなんだって」
「へ、へえ…」
魔王はそんな会話をベッドに寝転がりながら見ていて、にやにやしている。
相変らず性格を疑うその笑みにいらっとしつつも騎士らしくラスの前で片膝をつき、手の甲に口づけをした。
「ラス王女、あちらです」
「うん。コー、行こ」
「俺も行っていいのかなあ」
本当はついて行く気満々なのにそうやってもったいぶると、案の定ラスがリロイを引っ張りながら駆け寄ってきて手を握ってきた。
「コー、離れないで!」
「はいはい、チビは我が儘だなあ」
普段垂らしている長い髪はコハクの手によって緩く結い上げられて、細いうなじにリロイとコハクの視線が集中する。
もちろんラスはそれに気づかず、途中すれ違う緋色の騎士団や使用人たちを見ては笑顔になり、
ラスを真ん中にして晩餐会の会場に脚を踏み入れた3人を見たフィリアたちは、ラスの可愛らしい姿には瞳を細めたが…
そしらぬ顔でついて来ている魔王には顔をしかめた。
「あなたは遠慮して」
「だってさ。じゃあなチビ」
「フィリアさん、お願いします、悪戯させないから一緒に居させて下さい」
頭を下げてコハクのシャツの裾から手を離さないラスと、ラスの性格を熟知して振り回す魔王と、一刻も早く追い出したいリロイ。
「…仕方ありませんね」
「コー、よかったね!」
「俺腹減った」
「私のもあげる」
「ちゃんと食わないと“ぼいーん”ってなんねえぞ」
まんまとラスの隣に座って長い脚を組み、うきうきしている横の王女の頬をむにっとつまんだ。
「この後俺と踊るだろ?」
「うん!私が16歳になってからコーはもっと優しくしてくれるね。どうして?」
グリーンの瞳は好奇心できらきら。
魔王のレッドの瞳はいやらしさでギラギラ。
「それはな、俺がお前とヤ…」
「影、口を慎め!」
リロイから鞘で肩を突かれ、肩を竦めてナイフとフォークを手にした。