魔女の悪戯
「レオ、すごいな!!
何だ、今の!!?」
「俺にも教えてくれ!!」
「ロナウドー、残念だったな!
やっぱりレオナルドには叶わんってわけだ!!」
「レオナルド、今の技を俺に!!」
「俺にもだ!!」
──れ、れおなるど?
沸き上がる大歓声と、覚えのない呼び名、それから自分に群がる騎士達に忠純は困惑するしかなかった。
その大歓声を掻き分けて、ロナウドが忠純に近づいてくる。
「レオ!
何だ今の!?
初めて見たぞ、いつの間にあんな技習得したんだ!?」
ロナウドは、負けたことに対して一切の恨み言を言わず、純粋に自分に仕掛けられた技に興味津々といった様子だった。
負けたというのに、なんと潔いことか。
矢吹に勝つと、恨み言や的を得ない助言を延々と言われて来た忠純にとって、
それはとても気持ちの良いものだった。
「今のは、居合い、という技だ。」
忠純はロナウドや騎士達に向かって言う。
「い、イアイ?」
忠純の言葉に、騎士達が皆首を傾げる。
それから、忠純による騎士達のための居合い講座が始まった。