魔女の悪戯

太陽が空の丁度真上に来た頃。


──ゴォン、ゴォン、ゴォン…。


クリスティア城にある大きな鐘が、正午を知らせながら鳴り響く。


それは、騎士達にとっては休憩兼昼食の合図でもあり、


忠純による居合い講座は、一旦お開きとなった。


「レオ、ランチの時間だ。
一緒に行こう…、と、その前に顔くらい洗ったほうがいいな。
汗だくだ。」


「あ、ああ…」


らんちとは何だ、と思いつつ、ロナウドの言ったとおり、莫大な集中力を必要とする居合いを何度も見せたため、忠純は汗だくで。


ロナウドから渡された布を、礼を言って受け取り、一緒に水場に向かった。


水場に着くと、ロナウドは置いてある桶に水を入れ、バシャバシャと顔を洗う。


忠純も、ロナウドの真似をして、桶に水を入れた。


顔を洗うため、桶に張った水を上から覗き込む。


「これは…」


ある程度予想はしていたものの、水に写し出された自らの顔に、驚きを隠せない。


いつも髷を結っていた髪は、眉にかかるくらいの前髪に、襟足の長さもそこそこ。


色は、黒ではなくて金色で。


黒がち瞳は、切れ長で青空と同じ色。


鼻筋も通っていて、今は自分の顔のはずなのに、恐ろしく整ったその顔に、思わず息をのむ。


ロナウドは、桶の中を見て一向に顔を洗わないレオ(忠純)に、


「早くしろよ。」


と声をかける。


一応知らない場所に置き去りにされても困るので、忠純は水に手を伸ばす。


水面に触れるギリギリで、水に写し出されたレオナルドの顔がぐにゃりと曲がった。


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