魔女の悪戯

「言える訳無いだろ!?
お前が俺を嫌いなのをわかってて言う程、馬鹿じゃないんだよ!!
だから、政略結婚装って父上とラウロに話を付けようとしたってのに。」


「本当に嫌いなら会うわけないじゃないの!!」


「えっ…」


今度はラミア王女が真っ赤。


「少なくとも、嫌いなのは貴方の意地悪なところだけよ!!」


つられて、カイル王子も真っ赤。


王子はそっと手を差し出して、


「なら、俺のものになってくれる?」


と尋ねた。


ラミア王女はその手をとってこくりと頷く。


しかし、照れ臭くなった王女は


「貴方のものになんかならないわ!
貴方が私のものになって!!」


などと言ったため、カイル王子、ラウロ王子とついでに忠純も思わず吹き出した。


「やだね!
ラミアが俺のものになれ!!」


「貴方が私のものになってよ!」


「ラミアが!!」


「貴方が!!」


また言い合いになったものの、一件落着。


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