天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
「そんだけ勘違いできるんなら、まだまだ好きな証拠やね」

アリスカの肩をポンと叩く琉。

「わ、私は啓太なんて別にっ!」

「はいはい、ほなそう伝えとくわ」

…それはそれで、困る。

笑いながら立ち去っていく琉を、アリスカは困惑した表情で見つめた。

…そんな彼女を屋上から見つめる人影。

「アリスカ・テフレチェンコ…ねえ…」

松原 宴(まつばら えん)は軽く腕組みしながら思案する。

「融様は『和食』の方がお好みなのだけれど…たまには異国の女もよいかしら?見目は悪くなさそうだけど…さて…露西亜産の女子(おなご)というのは、味はどうなのかしらねぇ…」

まるで輸入物の肉を語るような言い草だ。

何にしろ。

「他の男の手垢がつかない、今が食べ頃かしら…」

ベロリ。

宴は舌なめずりした。

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