天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
冬はすぐに薄闇を連れて来る。

「それじゃあ先生、失礼します」

生徒指導室の入り口で一礼して帰っていくアリスカを見送りながら。

「…これでいいのか?おばぁ」

龍娘は呟く。

「はいはい、龍娘ちゃん、手間かけたわね」

人のよさそうな笑顔を浮かべたお初が、杖をつきながらヒョッコリ顔を出した。

「啓太ちゃんとアリスカちゃんを二人揃って放課後まで残らせるには、これしか方法ないからねぇ…二人とも部活やってないみたいだし」

コロコロ笑うお初。

「全く…いい歳して生徒の仲を取り持とうなんて…年寄りのお節介だと嫌われてしまうぞ?」

腰に手を当てて溜息をつく龍娘。

「こらっ」

お初はそんな龍娘の両足を杖で素早く掬い上げ、宙をグルン!と一回転させて床に叩きつける!

「あいたたっ!」

まるでそこらの小娘のように、情けない悲鳴を上げる龍娘。

「目上の人にそういう無礼な口をきくんじゃない。アンタは教師だろう?全く、口が減らないね」

「い、いたた…ゴメンおばぁ…」

龍娘ほどの達人が、お初の前では全く形無しだった。

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