天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅢ
そんなお初の作戦だったとも知らず。

(遅くなっちゃった…)

鞄とバイオリンケースを手に、アリスカは廊下を歩く。

夏ならばまだ夕日が傾き始めた程度の時間だが、12月ともなればすっかり太陽は顔を隠してしまっている。

女子寮に着く頃には真っ暗だろうか。

空気も冷たさを増し、寒さには慣れている筈のロシア人のアリスカでさえ、少し身を硬くする。

啓太と二人ならば、少し控えめに身を寄せ合って、寒さも感じなかったりするのだが…。

(駄目だね…そろそろ気持ちを切り替えないと…もう啓太とは終わったんだから)

『自分の気持ちに正直に』

真晝やアルトにアドバイスされたにもかかわらず、アリスカはまだ後ろ向きな思考から完全に抜け出せずにいる。

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