BLack†NOBLE

『アリシア、危険な目に遭うかもしれないだろ? それに俺といると蔵人に嫌われるぞ……蔵人は俺が大嫌いだからな』


『クロードは、瑠威が大好きよっ! クロードは嫌いな人と食事なんて絶対にしないわ』




『っ! いいから、住所を 教 え ろ!』


 両手でアリシアの肩を掴み揺する。なんてしぶとい女だ。野性の猿みたいだな!


『い や よ! 私も瑠威と一緒に行く!』




 くそっ……

 蔵人は俺の疫病神だな……


『ローザに会わせてくれ……』


 何故、俺が頭を下げなきゃいけないんだ。



『あぁん! もう背中ヒリヒリする~着替えもしたいし、シャワーも浴びなきゃ! まずモーテルに行きましょ。ベットは一つあれば充分よ♪ 瑠威』


 俺が足をアクセルに戻すと、アリシアはドアを閉じて、シートに座る。見えない背中に傷がついていないかを気にして手を伸ばしていた。

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