BLack†NOBLE

『そう! 彼女は、クロードが与えた贅沢なマンションに住んでるわ! クロードは月に何回か、そのマンションに通って、一夜を過ごすのよ』


『その話の確証は?』


 もう一度、足に力を込める。


『確証なんてないけどっ! 住所と、女の名前は知ってる。ローザンヌよ! クロードは彼女に電話する時、「愛してるローザ」と言って通話口にキスをする』


 ローザンヌ…… 聞いた事のない名前だ。



『おまえ、蔵人の好みのタイプ知ってるか?』


『私みたいな、可愛い子?』


 馬鹿だ……
 正真正銘の馬鹿だ……


『蔵人を恐がる女だ。恐れて震えている女を無理矢理犯すのが、蔵人にとっての最高の快楽になる。

 もしその女が、マンションの一室に監禁されているなら……蔵人が溺愛しているというのも納得できる』


『あ! 「ローザは一人ではマンションから出ない」ってクロードがレイジに言ってるのを聞いたような気がする……』


『ような気がする、じゃ困る。俺は確実な弱みを握って、屋敷に潜入したい。蔵人と取引する。ローザンヌは、人質になりそうか?』



 確実に、彼女を取り返す為には必要な人質になるなら、会ってみる価値がある。


『クロードって、嫌がられるのが好きなの? なんだぁ、私も次から嫌がる!』


『お前の話は、どうでもいい! ローザの住むマンションの住所は?』


『嫌! 絶対に言わない』


 ……この野郎 。


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