BLack†NOBLE



『ボス! 狙撃してきた奴等を捕まえました』


 蔵人と同じように全身真っ黒なスーツを身に纏う男が店内に駆け込む。

 同じ様な服装をしているのに、何故こうも釈然とその上下関係が伝わるのかがとても不思議だ。

 それ程、蔵人には人並み外れたオーラが漂っているのかもしれない。
 


『一人も逃さなかったか?』

『ええ、もちろん。昨夜山中で伸びていた奴等と同じ組織のようです』



『全員、吊るしとけ』

『かしこまりました』



 吊るす?

 聞かなかった事にしよう……



『アリシア、瑠威とどこに向かう途中だった?』


 蔵人は、声音を操り甘く魅惑的な声でアリシアに訊ねた。魔性の催眠術師のようだ。



『アリシア言うな……』一応、脅しをかけるが

『パレルモ、フェリーに乗ってローザに会いに行こうとしてたところ』


 クロードの横顔を瞳をハートマークにさせて見つめていたアリシアに、俺の声は届かない。



『なるほど……』


 クロードは、アリシアの髪にキスを落とすと俺に挑発的な視線を向ける。




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