BLack†NOBLE


 漆黒のマセラティ社のクアトロポルテに乗り込む。

 マセラティは、フェラーリやランボルギーニと並ぶイタリア屈指の高級車だ。エアーシートが装備された皮の座席。

 蔵人の隣に座ると、車が音をたてずに動きはじめた。


 数台の車が俺たちを囲うように同時に動き出した。



『ローザは?』

『はい、ご自宅でボスの到着を待ちわびてます』


『そうか……』


 運転士の返答に満足した蔵人は、窓の外を眺めて口を閉ざした。


 海岸沿いの四車線道路を占領しながら、移動する。


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