BLack†NOBLE

「そうか……ジェロという男を、茉莉果に仕えさせた。奴は忠誠心に熱い男だが優しすぎる。抗争に巻き込みたくなかったから、適任だ」



「男を?」

 腸が煮え繰り返る程に、頭にカッと血が上る。


「ジェロからの報告では、茉莉果は護衛のライフルが本物なのか? と気になり護衛にジェロを撃たせようとしたらしい……」



 突然、蔵人が手で口を押さえて……ククッと笑う。


「ハハハ!! おまえの女は、最高だな……ジェロは泣きながら茉莉果に許しを請たらしい……ハハハ」


 あり得る。

 彼女なら、やりかねない行動パターンだ。


 蔵人は、堪えきれずに笑い声を漏らす。



「ジェロの用意した紅茶の味に腹をたてた時は、拳銃で撃ち殺されそうにもなったらしいぞ」



 ハハッ……と笑う蔵人を睨み付けた。

 彼女を殺人犯にしたくない、そんな物騒なものを近くに置いておくのが間違っている。




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