BLack†NOBLE


「彼女に常識など通用しない」


「だとすると、瑠威はどうやって茉莉果に気に入られた?」



「一緒にいただけだ……」


 ただ年月を、俺たちは二人で過ごしてきた。互いの孤独を癒すように、ただ一緒にいただけだ。



「六年……たかが六年だろ? 俺と瑠威は、もっと長い時間を過ごした」


「時間の問題だけじゃない」


 彼女が与えてくれ常識外れな平和で至福の一時は、俺にとってかけがえのないものだ。



「イタリアに戻ってこないか?」


「嫌だ。マフィアとは付き合いたくもない」


「即答だな……」


「当然だろ」




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