BLack†NOBLE
蔵人は腕を組むと胸を上下させ大きな深呼吸をする。
コイツは、どんな六年を過ごしていたのだろう?
たくさんの男たちに囲まれ王のような扱いを受けている蔵人。
その地位に就くまでにはどんな経緯を辿ったのだろうか?
普通の笑い声を聞いていたら、昔の兄を思い出してきた。俺たちは、何でも話あえる兄弟だったから。
「蔵人こそ、日本に来てみればいい」
「マフィアを辞めろという意味か?」
蔵人は驚いた様子で、腕をといた。質問を質問で返さないでもらいたい。
「そういう意味だ」
頭はいい奴だ。マフィアなんかやっていなくても、日本でいくらでも稼げるだろう。
「掟に従えば、それは死を意味する……ローザに会えば瑠威も分かるだろ。着いたぞ」