BLack†NOBLE


『瑠威! クロードがいたよ! よかった、怪我してない』

『ああ』



 沈みそうな船体の上に、その姿を確認できた。目を細めて銃を撃ち。振り向くと、レイジに何か指示を出す。


 蔵人の黒髪が激しく揺れると、上空に一機のヘリコプターが現れた。

 ターボシャフトの轟音と、メインローターの爆風に船体の上にいる男たちは飛ばされそうだ。


『クロードのヘリが来た!』アリシアは歓声をあげる。





 すごい……蔵人はこんなヘリまで呼べるのか。



 前面が透明のアクリルガラスで丸みを帯びた機体。 見上げて、言葉を失う。

 ある記者が、『マフィアはイタリアで一番儲かる企業だ』と皮肉を言ったというが、俺もその意見に賛同だ。


 あの大きな屋敷に、クルーザー、ヘリを持っている。他に一体何を隠しもっているんだろうな?





『クロード!』

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