BLack†NOBLE
『っくそたれ!』
『瑠威様、座席に座ってください! 危険です!』
アクリルガラスの扉を閉めたレイジの声に、急いで座席に座り両肩からベルトで体を固定した。
俺の左隣ではアリシアが自分でベルトを固定する。
右隣の蔵人は自分でベルトを、固定できない……
『蔵人……』
自分の両手が鮮血で染まっている。 体に重力がかかり、パレルモの港が小さくなっていく。
『クロード……!? 嘘……やだクロード!!』
『アリシア座ってろ!』
向かいの座席に座ったレイジが、今ようやく異変に気がついた。
『……目を瞑れ』
『やだ……瑠威だって、血が!!』
『いいから、俺の命令に従え! 一回で理解しろ』
俺が怒鳴ると、アリシアはパラパラと涙を流して俺の背に額をつけた。
『蔵人……蔵人、目を開けろ!』