BLack†NOBLE
『俺に頭を下げるなって言ってるんだよ!』
『申し訳ございません、瑠威様』
いつまでも頭をあげないレイジを避けて無視をして屋敷に入る。
そんなレイジとのやり取りを見ていた男たちは『部外者のくせに、偉そうに』と俺を睨む。
奴等は、掟に誓わぬ俺の言うことなど耳を貸さないだろう。
待ち構えていたように分厚い扉を開くと、中からニナが出てきた。
『瑠威様、おかえりなさいませ。お怪我は、ございませんか?』
俺の忌々しげな視線に気がつき、ニナは瞬時に身構える。
『彼女は?』
その言葉に警戒をとくと、俺のために道を開けてくれた。
『……三階の西側、一番奥の部屋です』
三階の西側、一番奥。
大理石のエントランスを走り出す。階段の手すりを掴み、三段飛ばしで階段を駆けあがる。
観葉植物の飾られたタイルの廊下を駆け抜ける。
すれ違い『おかえりなさいませ瑠威様』と頭を下げる男がいた。
俺は、ここに帰って来たわけじゃない……
彼女に会いたかった。