BLack†NOBLE
『オマエに、頼みがある』
広く長い通路を歩く。一定の間隔で、吊り下げられたシャンデリアが淡い光を放つ。
三階は、蔵人の居住スペース兼ゲストルームなのだろうか?
他の階とは、少し造りが違う。
『明日、彼女を日本に帰そうと思う。オマエがその命に変えてでも、彼女を日本に送り届けろ』
『にっ日本ですか!? 俺ビザとれるかな?』
蔵人が、コイツを戦闘要員にしない理由がよくわかった。小柄だけど、体格はそれなりにいいし、喋らなければ、それなりの悪にも見えるのだが……いまいちだな。
『ビザなら心配するな。日本に着いたら、西原竜司という男に迎えを頼んでおく。そいつは、必ず白いロールスロイスで現れる。頭にくる面をした男だが、彼女を一番安全に屋敷に送り届けるだろう』
『ニシハラリュージさんですね?』
コイツ一人じゃ不安だな。あと二名護衛を配備しよう。
『それから……』