BLack†NOBLE
ジェロの肩を掴み振り返らせる。『わわっ』と慌てたジェロの胸ぐらを掴むと、壁に押しあてた。
『瑠威さんっ!? なんすか俺何も悪いことしてないです!!』
『悪いことて、例えばなんだ……? もししていたなら、今この場で殺すぞ。
彼女は、着替えも一人ではろくに出来ない。オマエが全て面倒を見ていたのか?』
ジェロの額に大粒の汗が噴き出した。
『違います! 俺日本語わからないですし、ニナが着替えや身辺の世話をしていました。ボスからは護衛を頼まれただけっす』
『本当か?』
二日間、コイツはずっとお嬢様といた。 それだけで死刑に値する重罪だが、今は彼女の命を守ることが最優先。
コイツの処罰は後々決めればいいのに、腹の虫が治まらない。
『本当っすよ! 俺なんか庭を走ってこいとか言われてライフルで狙われたりしたんですよ? 瑠威さんの女、マジで恐ろしすぎますから!』
『恐ろしい?』