BLack†NOBLE


『さぁ……俺には解りません』


 レイジは、さっさと部屋を出ていった。 あの野郎、俺の口から蔵人が負傷したことを伝えさせるつもりか?


『そう、おかしいわね?』

『それより、そちらの様子はどうですか? 蔵人はコッグとグレコが、あなたに危害を加えないかを心配していたようです』


『……そのことを聞きたかったのよ。瑠威、昨夜は大きな花火が上がったようだけど?』



 惚けた隠喩は、さすがマフィアの妻だな。花火か……確かに盛大で凶悪な花火だ。



『数名、火傷を負った者がいます。今から花火を打ち上げた奴に損害賠償でもさせようかと企んでいたところですよ』


 ハンディフォンからため息が聞こえた。



『瑠威……あなたは、日本に住み仕事を持っていると聞いていたわ。損害賠償は"保険屋"に任せたほうがいいのではないかしら?』



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