BLack†NOBLE
「ご覧の通り、彼女は何も知らない。わかるだろ? 日本で世話になった人の娘だ」
それをなんとか上手く利用できれば……
「瑠威が女を庇うなんて俺は初めて見た。その女も一緒に来てもらう」
蔵人は、もう一度ククッと笑うと……ついに銃口を俺の額に押し当てた。
冷たく重い鉄の塊。
薬莢の臭いが鼻につく。
この銃が、頻繁に使用されていて飾り物ではない証拠だ。
「その布で、女に目隠しして腕を縛れ。屋敷の場所がバレて逃げられると困るからな」
蔵人の後ろから、日系人の男が布と縄を出す。
「瑠威が縛らないなら、俺の部下にやらせるぞ。うんと乱暴にな」
引ったくるように布と縄を取ると、そいつを睨み付ける。
殺してやりたい程、憎いなコイツは。そんな奴に銃を向けられているのか俺は。
「女、縛るのは得意だよな?」
一人で笑い声をあげる蔵人に対して、後ろに控える男たちは完全に無表情だ。
それが奴と男たちの厳しい上下関係を示している。
男たちは、蔵人のどんな小さな合図も見逃さないのだろう。