BLack†NOBLE

『招かざる客に命はない。それでいいな?』

 自棄になってるわけじゃない。本気だ。本気でコッグとグレコが憎い。

 
 幹部たちは、ピクリとも動かない。力強く鋭い視線だけを俺に寄越す。






『反対意見があるなら、遠慮なく言え』


 負けじと、睨み返す。 耳の痛い沈黙は嫌いだ。




『ボスとはまるで違うが……度胸は認めよう』


 最初にシチリアがクスクスと笑いはじめた。続いて皆が笑い出す。


『ああ、東洋人の若造がどんな事を言い出すかと思ってたが……可笑しい奴だ』



 グラスに満たされたワインを手にとると『我々は、偉大なる方の弟に従おう。お前を死なせはしない。メルフィスは全力でお前を守る』


 今度こそ本当の忠誠心か? 俺が持つグラスに、残りの四つが合わさり、カチンという綺麗な音が鳴った。

 

 レイジの安堵のため息が聞こえた。



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