BLack†NOBLE
「だったら……抱きしめないでよ……」
彼女の声が震える。
「こんなふうに抱き締められたくなかった……柏原」
子供みたいな泣き声をあげる彼女。
「ごめんな……」
「ひっく……赦さない! ……ふぇっ」
どうしたらいいんだろう?
彼女の柔らかい髪を耳にかけてやると、頬に伝う涙を舌でからめとる。
「柏原、私のこと好きでしょう?」
「大した自信だな……」
指先で大粒の涙を拭うと、自分でも信じられないくらいに優しいキスをした。