BLack†NOBLE

「ねえ、柏原。難しい話してたら眠くなってきちゃった。実はお散歩してたら迷子になって部屋に戻れなかったの。

 ベッドまで連れて行ってくれない?」


 渋々頷くと、彼女に手を差し伸べる。彼女は嬉しそうに手を握った。



「よかった。イタリアに来たら柏原の新たな一面を知れたわ」


「よかった? 縁起でもない」


「よかったわよ。お兄さまの怪我は心配だけど……柏原は、強いから大丈夫。
 問題なんてチャチャと片付けちゃいなさい。私、ここで待ってるわ。

 私が待ってるんだから、絶対に必ず迎えに来なさい」




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