BLack†NOBLE
事態を把握できずに首を傾げて長い睫毛を上下させる愛しい彼女。
「柏原、どうしたの?」
蔵人の恐ろしさなんて、微塵も知らない可愛い彼女。
「申し訳ございません……両手を前に出してください」
彼女に不安を与えてはいけない。
今は、蔵人の指示に従うしかないんだ……
無理をして彼女に甘く優しい笑みを見せる。
「わかったわ」
「ありがとうございます」
白い肌に傷が残らぬように慎重に縄をかけてゆく。
二重に結び目を作ると、蔵人は満足気に頷いた。